2019/11/11

ギャングエイジ

 寒い日が続きます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 ラグビーのワールドカップが盛況に終わりました。日本代表もベスト8と大健闘。まだその余韻に浸っている方もいらっしゃるかと思います。

 ワールドカップを観ていて感じたのは、イギリスの影響力の大きさです。イギリスを構成する4カ国すべて本大会に出場(北アイルランドはアイルランドと合同チーム)。他にも出場国はオーストラリアやニュージーランドといったイギリス連邦の国ばかり。私の頭には大英帝国がよみがえりました。

 時は第二次世界大戦。日本軍はイギリスの軍事拠点、シンガポールをあっという間に占領します。それまで「自分たち1人で日本兵10人を相手にできる」と豪語していたイギリス兵は、「どうした?だらしないじゃないか」と云われてこう答えます。「いや~、日本兵が11人来ちゃったから・・・」。こういったジョークを飛ばせる国民とは仲良くなれそうな気がします。

 ここ数年、イギリスはEUからの離脱問題で揺れています。遠く離れた日本から眺めていても、イギリスともあろう国が何をしているのだろう?と首をかしげたくなる有様。ではどうしてこのような事態になったのか、それを分かりやすくするため、国を個人に置き換えておさらいしておきます。

 <ドイツ君がフランス君とイギリス君にけんかをふっかけます(第二次世界大戦)。フランス君はすぐに降参して、イギリス君のもとに逃げてきます。その後、イギリス君がアメリカ君の力を借りてドイツ君をやっつけました。おかげでフランス君も勝ち組に仲間入り。以降、フランス君とドイツ君はグループをつくります。イギリス君も入れてもらおうとしましたが、フランス君が反対します。勿論、イギリス君はおもしろくありません。その後、どうにかイギリス君も入れてもらうことができました。しかし、グループではドイツ君の意見ばかり通ります。イギリス君は、がまんの限界。こんなグループから抜け出してやる!と言い出しました。>

 所詮、国の政策といっても根っこの部分は国民感情です。それゆえ、国を個人に置き換えると本質がつかみやすくなります。

 先ほど「日本はもっとイギリスと仲良くできる」と話しました。実はイギリスもそれを望んでいます。実際2年前、イギリスの首相が来日し、日本に秋波を送っていました。それはイギリスのEU離脱と関係しています。EUが中国に近づいている分、別路線を歩みたいイギリスは日本との距離を縮めたいと考えているのです。

 「ギャングエイジ」という言葉があります。ギャングというのは「仲間」という意味。小学3年生頃になると、子どもたちは、自分の好みで仲間を作り、徒党を組んで遊び始めます。また、友だちと秘め事をしたり、外であったことを家で話したがらなくなるのもこの頃からです。親からするとハラハラしますが、こういった時期を通して、子どもたちは人間関係の基本を学んでいきます。

 現在、このギャングエイジが姿を消そうとしています。ギャングエイジがなくなれば、国の外交や個人の人間関係は、理念が先行して「空想的なもの」になるでしょう。世の中には、「みんなと仲良くしないといけない」と思い、神経をすり減らしている人が少なくありません。しかし、世界を見渡しても、みんなと仲良くできている国など存在しません。国も個人も同じではないでしょうか。馬が合わない人とはあいさつを交わす程度にして、気の合う人を探していく、それでいいような気がします。

 「ラグビー」「イギリス」「外交」といったキーワードから、そんなことを考えていた次第です。

令和1年11月11日 院長 松本康宏

<追記>
☆11月16日(土)、秋田県社会福祉会館にて13時30分~『精神科のクスリについて知りましょう』というテーマで話をします。皆様、ぜひお越し下さい。
☆当院の陸上部が11月24日(日)、『若美走り納め駅伝競走大会』に参加します。午前11時スタートです。ご声援よろしくお願い申し上げます。