2020/12/18

コロナとうつーその1

 『コロナとうつ-その1』

 皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

 今年はコロナのせいで本当に大変な年になりました。でも、この辛抱もあと半年くらいかと思います。これからはワクチンも普及してくるでしょうし、ウイルスの毒性も弱まるかもしれません。収束を期待し、そこまで粘り続けましょう。

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 最近、コロナとメンタルヘルスに関する話を耳にするようになりました。私の所にも『コロナとうつ予防』としたテーマで話をするよう依頼が来ています。

 振り返れば、自粛が叫ばれるようになったのは、今年の2月。それから半年ほどすると、「自粛を余儀なくされている大学生がかわいそう」とした記事も目にするようになりました。

 特にかわいそうなのは、新入生です。「新しく友だちを作ろう」「こんなサークルに入りたい」と思っていた矢先、キャンパスは閉ざされ、行き場を失いました。これだと誰でもブルーになります。

 また、二年生や三年生であれば、すでに友人や知人ができているでしょうから、自粛中もLINE等を利用して、愚痴をこぼし合うことが可能です。しかし、新入生には、それができません。

 コロナ禍において大事なのは、不安の共有と、不安の客観視。「心配のし過ぎかなぁ」とか「不安なのは自分だけじゃないんだ」と自省するには、話し相手が必要です。

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 大学生といえば、私も30年前はそうでした。当時は答えのない悩みにどっぷり浸り、抜け出せずにいました。しばしば、「大学に行く意味は何だろう」とも考えました。

 近代的な大学ができる以前は、修道院やお寺がその手の役割をはたしていました。比叡山の延暦寺は今の東大のようなものだったと聞きます。先日亡くなったショーン・コネリー主演の『薔薇の名前』を観ると、中世において本は極めて貴重な物であったことが分かります。学問を志す者は、書物を求め、修道院やお寺を訪ねました。

 しかし今はネットで簡単に世界中の情報が手に入る時代です。それでもなお、大学に入りたいと思う人は後を絶ちません。大学にはやはりオンライン授業以外の価値があるのでしょう。

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 今年は、多くの人が「ライフシフト(生活や生き方の変更)」を強いられました。

 チャールズ・ダーウィンという人がいます。ビーグル号で冒険し、『種の起源』を書いた人です。ダーウィンは「大きいものや強いものではなく、環境に適した者が生き残る」と述べました。それを拡大解釈して、「変化できる人が生き残れる」と話す人もいます。

 環境が急激に変化すれば、生き残るのは大変です。今回のコロナ禍で仕事を失った人もいます。そんな中、自殺の増加が危惧されます。自殺は、うつや経済的な問題、体の病気、離婚、アルコール等が複雑に絡み合って生じます。

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 ①上体肥満(内臓脂肪)②糖尿病③高血圧④高脂血症、これらがそろうと心筋梗塞を起こしやすくなります。それ故、「死の四重奏」ともいわれます。また、これらのリスクは、そろえばそろうほど、指数関数的に危険率が高まります。ただこれは、逆の見方も可能。「リスクが一つ減ると心筋梗塞になる確率がかなり減少する」とも取れるのです。

 自殺も同じです。例えば、飲酒の問題を伴うケースであれば、その問題を解決するだけで自殺を大幅に減らせるというわけです(続く)。

令和2年12月18日
院長 松本康宏