2020/12/21

コロナとうつーその2

 皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
 今回は前回のブログの続きです(『コロナとうつ-その2』)。

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 「うちの子ども。ゲームばかりして、ゲーム依存になったらどうしよう」。例の緊急事態宣言下、親たちはよくこんなことを話していました。

 引きこもりによる依存症の誘発は、子どもに限った話ではありません。コロナ禍で飲酒量が増え、依存症に至った人はたくさんいます。リアルな体験が減ると、どうしても依存症は増えてしまいます。

 当院の依存症ミーティングは、以下の3つを目標に行っています。<①賢くなる②つながる③長生きする>

 その中の②について補足します。「ラットパーク」という実験をご存知でしょうか。ゲージの中に閉じ込められたラットは、依存物質を投与されると、完全に依存が形成されてしまいます。その結果、依存物質を欲しがりバーを押し続けます。しかし、仲間がたくさんいて、遊び場も設けられた場所(ラットパーク)で暮らすと、近くに依存物質があっても、見向きもしません。つまり、依存の形成には「つらくて孤独な環境」が影響しているというわけです。

 先ほど、依存症を減らすにはリアルな体験が必要と書きました。ただ、リアルな体験といっても、大げさに捉える必要はありません。①自然に触れること②体を動かすこと③誰かとお喋りをすること、この3つで十分です。

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 現代人は昔の人より疲れているといわれます。ただし、その疲れは筋肉の疲れではありません。脳の疲れです。ではなぜ現代人の脳は疲れているのか?それは自然との触れ合いが不足しているからです。

 木々のせせらぎ、波の音、鳥や虫のさえずり、木洩れ日といったもの、これらはすべて揺らいでいます。それは人も同じです(脳波を思い浮かべてみてください)。脳は、自然の揺らぎと「共振」することで癒されます。しかし、自粛下で外に出ないと、ますますそういった機会に恵まれません。

 「なかなか疲れが取れない」、そう感じている方は、試しに自然に触れてみることをお勧めいたします。

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 私は今年、院外の仕事がほとんどなくなりました。その分、釣りやキャンプやトレッキングを楽しむことができました。釣りは主に小物狙い。何度か海に出かけキスやアジを釣っていました。キャンプは、田沢湖や東成瀬村で家族と楽しみました。トレッキングをした場所は八幡平、秋田駒、兜明神岳、東根山です。

 兜明神岳は、岩手県宮古市の山。山頂だけが岩場で、三角帽子をかぶったような姿をしています。そこはかつて盛岡の小学生(高学年)が遠足で登る山だったそうです。「山頂の岩場が怖くてね。泣き出す子もいましたよ」。そんなことを懐かしげに語っていた人の表情がなぜか忘れられません(続く)。

令和2年12月21日
院長 松本康宏