2021/02/19

スマホと免疫ーその2

 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、前回のブログの続きです。

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 私は11月が苦手です。この時期、周囲から緑が消え、冷たい雨が降りそそぎます。加えて、日照時間の減少も気分を憂鬱にさせる大きな要因となっているのでしょう。

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 日光は「セロトニン」を増やし、「メラトニン」を減らします。セロトニンは別名、「幸福ホルモン」。増えると不安が減り、幸福感が増します。逆に減れば、“うつ”になりやすくなります。

 メラトニンの方はというと、こちらは「睡眠ホルモン」と呼ばれています。その名の通り、分泌が高まると、眠気が訪れます。またメラトニンは交感神経を和らげる作用もあります。それも眠気をきたす要因の一つ。

 日中、光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されます。その分、夜にメラトニンの分泌が高まり、眠りやすくなります。逆に、夜スマホを使用すると、(ブルーライトの影響で)メラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が低下します。

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 自律神経にはリズムがあります。日中は、交感神経が優位、夜は副交感神経が優位です。ウイルスを殺すNK細胞は夜間より日中、活性が高まっています。おそらくそれは寝ている時よりも活動している時の方が、ウイルスに出会う危険性が高いためでしょう。

 NK細胞は普段血管壁にくっついています。そして一旦、交感神経が刺激されると、血管壁から遊離し、血液中に出てきます。つまり、交感神経系が亢進すると、免疫力が上昇するのです。ただし、これはあくまで一時的な効果。

 なぜなら、自律神経には「揺り戻し」があるためです。例えば、交感神経は亢進してしばらくすると、今度は低下に転じます。そのため、免疫力(NK細胞の活性値)を測定すると、初めは高い値を示しますが、しばらくすると低い値を示します。

 よく、「笑うとNK細胞活性が上がり、免疫力が高まる」といわれます(私も笑いは心身によいと信じています)。しかしこれも、笑った直後であれば、免疫力は上昇しているかもしれませんが、時間をあけて測ってみると逆に下がっているかもしれません。

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 このように免疫力の評価は簡単ではありません。しかし、睡眠と免疫に関連性があることは確かです。では、スマホと免疫には、どのような関係があるのでしょう。

 <夜スマホを見ていると、メラトニンの分泌にメリハリがなくなります。すると、自律神経のリズムが崩れます。本来、日中は交感神経が優位な状態。しかし、リズムが崩れてくるとその状態が作り出せません。ということは、ウイルスに暴露されやすい時間帯(日中)に、NK細胞が充分放出されません。その結果、コロナ等にかかりやすくなります・・・>

 これはあくまで「風が吹けば桶屋が儲かる式」の推論です。だから、真偽のほどは分かりません。しかし、仮説としては成り立つように思います。

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 さて、最後までややこしい話にお付き合い下さり、ありがとうございました。

 今回、スマホの危険性に着目することで、逆に健康を保つために重要な“モノ”が見えてきた気がします。

 日光、セロトニン、メラトニン、生体リズム、こういった“モノ”を味方にして、一緒にコロナに立ち向かっていきましょう。

令和3年2月19日
院長 松本康宏