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2024/07/12

地方創生ーその2

 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 

 前回に続き、魁新報(以下、さきがけ)の記事を題材に、「地方創生」について考えます。

 

 令和6年6月28日、さきがけに「町おこし」に関する記事が掲載されました。これは力作です。タイトルは『地方創生~失われた10年とこれから』。題のとおり、前半は「失われた10年」について、後半は「これから」について記されています。

 

 「これから」については、4つの提案で構成されており、1番目と2番目が政府に対して、3番目と4番目が社会に向けてです。

 

 1番目の提案は、「地方を信じてほしい」というものでした。これに関しては、前回のブログでコメントをしています。

 

 2番目の提案は、「本当の『異次元の少子化対策』を政府に求める」というものでした。たしかに日本における社会問題の多くは少子化を根源としています。秋田の衰退も少子化さえなければ、これほどではなかったかもしれません。しかし、少子化対策の結果を待っていても始まりません。その間に、秋田はどんどん衰退していってしまいます。新聞の提言としてはまちがっていませんが、私たちは今できることに取り組むしかありません。

 

 3番目の提案は、政府に対してではなく、<社会全体に向ける>とされています。内容は「人口定常型社会へのソフトランディング」。

 

 記事にはこう書かれていました。<いつか訪れる人口が定常化した社会の時期と規模を見通し、そこからの逆算で社会のさまざまなしくみを再構築していくという発想だ。>

 

 しかし、これは、どんな学者もできないでしょう。終戦直後の日本の人口が7000万人、江戸時代のなかごろが3000万人、奈良時代が500万人。どこが着地点になるのか分かりません。

 

 記事の最後の提案(4番目)が、「変化と希望を生み続ける」です。

 

 記事には次のように記されていました。<「寛容性」と「希望」で全国最下位レベルにあるとされる秋田はしかし、にぎやかな過疎にならってベクトルを転換させれば、一気に状況を転換させ得る可能性を秘めているともいえないか。><人口減少の最前線にいる秋田は、変化の伸びしろに満ちている。絶望のなかにこそ希望がある。われわれにはできる。>

 

 「自分が記者だったら、同じように書くだろうな~」と思って読んでいました。紙幅も限られるし、県政の批判もしづらいし、読者を煽るようなことも書きにくいし・・・といった背景があるためです。

 

 しかし、「伸びしろがある」「希望を持とう」「自分たちにはできる」といわれても、「よし、じゃあ、やってみよう!」とまではいきません。もう少し「これだったらできるかな」といった提案が必要です。次回はその提案をしたいと思います。

 

令和6年7月12日

院長 松本康宏

 

追記:7月21日に『当事者の声を聴く会』を開催します。多くの方にご参加いただけると幸いです。

 

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