2025/04/01
人と地域を
もっと健康に

4月1日
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
4月1日は入社式です。入社式のあいさつといえば、仕事に関する話題が必須。そこで今回、仕事について考えてみることにしました。
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仕事に対する考え方や捉え方を大雑把に分類すると、以下の5つになると思われます。
一つ目は西欧的な考え方。仕事(労働)とは、神から与えられた罰である、と。言い換えると、こなさなればならない課題。だから、短時間でテキパキやってしまおうという捉え方です。
二つ目はアメリカ的な考え方。ともかくビジネスを成功させて金を得よう。そして大金持ちになれたら豪遊し、余ったお金はどこかに寄付。これが「最高の人生」とした捉え方です。
三つ目は、昨今薄れてきたとはいえ日本人にありがちな考え方。具体的にいうと<精魂込めて仕事をすると人格が磨かれる>とした思想です。これは石田梅岩によって江戸時代に育まれました。
四つ目は、「どうせやるなら、仕事を楽しもう!」とした考え方です。
五つ目は、「できればやりたくない」「楽な方がいい」といった考え方。残念ながら、今こうした考えが増えています。
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では、なぜ仕事に対して消極的な人が増えているのでしょうか。以下、その理由について探ります。
まず、こういった考えをする人には、2つのタイプがあるように思います。
一つは、仕事をすると損だと考えてしまうタイプ。それには個人の気質もありますが、世の中の変化も影響しています。私が若い頃は、給料の話をすると“はしたない”と思われました。でも今はきっちり契約する時代です。そのため、本業から外れた仕事をすると損した気分になりやすいのでしょう。
もう一つは、「失敗を避けたい」気持ちが強い人たちです。当然、仕事はやればやるほど失敗やトラブルが増えます。「やりたくねぇ」と言っている人の多くは、実のところ、傷つくのを避けようとしているのではないでしょうか。とはいえこちらも、個人の病理より、社会的な要因の方が大きいように感じます。自己責任論や減点主義、SNSで失敗を拡散される恐怖・・・。こういった状況が個人を委縮させているのでしょう。
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仕事に積極性を欠く理由は他にもあります。
今の時代、どの組織もきっちりレールが敷かれています。そんななか、「挑戦しろ」といわれても、なかなか動きようがありません。自分の守備範囲を超えて動くととやかくいわれてしまいます。
それから、職場での一体感が減っています。私が若い頃は、「みんなでワイワイやる」のが通例でした。今は、与えられた仕事を黙々とやって定時になれば“さようなら”。周囲から元気をもらえるような機会が減っています。
一方、当時は、若いうちから重要な仕事を任されました。その際は、「やっといて!」と言われて終わり。そのため、自分でなんとかするしかありません。一生懸命考えたり、本を読んだり・・・。結果、うまくいって嬉しくなることもあれば、自分の力不足に腹が立つこともありました。仕事の楽しさを知る上で、こういった「経験」も最初のうちは必要な気がします。
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日本人の遺伝子が30年や50年で変わったわけではありません。仕事を「できればしたくない」と考える人が増えたのは、以上みてきたとおり、おおかた社会が変わったせいでしょう。そんな逆境の時代でも、4月1日は、仕事をとおして患者さんに何ができるのか、社会にどんな貢献ができるのか。そういったことを考える日にしたいと思います。
令和7年4月1日
院長 松本康宏
追伸:4月8日院内で『発達障がい』の話をします。どなたでも参加可能です。詳しくはホームページの「お知らせ」をご覧ください。多くの方のご参加をお待ちしています。