2024/07/26
人と地域を
もっと健康に
自分の中での「決めごと」
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
昨年、『気晴らしのすすめ~精神科医からの贈り物』という本を出版しました。ホームページに載せていた135編のブログのなかから53編を選んで、まとめたものです。
「自分の本があちこちの本屋さんに並び、多くの人が手に取ってくれる」、そんな夢を見る人がいます。しかし、それは宝くじで1等が当たるようなもの。楽天家の私でもそこまでは夢想できません。そこで、200部刷って100冊を手元に、残りの100冊をアマゾンで買えるようにしました。かかったお金は60万円ほど。60万円で200冊ですから一冊3000円かかった計算になります。商売としては全く成り立っていません。それでもいい思い出にはなりました。
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本を作るにあたって、私は「決めごと」をつくりました。出版社のスタッフを決して“せかさない”というルールです。
本を作るのは家を建てるのと似ています。「どんな物ができるのだろう」「早くできないかなぁ」。期待が膨らみ、催促したい気持ちに駆られます。しかし、せかしたところでどうにもなりません。作っているほうはすでに精いっぱいやっています。そこで私は催促したくなる気持ちをぐっと抑えるようにしました。
結果、自分のルールを完遂できたかというと・・・。残念ながら、守ることはできませんでした。一度ではありますが、メールを送ってしまいました。「お返事まだでしょうか?」。・・・まだまだ私の精神修養は足りないようです。
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「本を出してよかったか」と問われると、私は「よかった」と答えます。理由は主に3つ。
まず1つ目。本を出版すると、国会図書館に保管してもらえます(ISBNの取得が必要)。子どものころ、父と山に行って、大きな木の下に50円玉を埋めました。「あれ、どうなったかなぁ・・・」。思い出すとワクワクします。それと同じで、「自分の本が図書館に眠っている」というのはちょっとしたロマンです。
二番目によかったことは“ホッ”としたことです。若い頃、先輩からこんなことをいわれました。「ちゃんと医者をやっていると、一生のうち本の一冊くらいは書けるよ」。それを聞いて、自分も書かないといけないような気がしていました。でも歳をとってからだと大変です。それが今のうちにできたのはラッキーでした。
もう一つ“ホッ”としたのは、記事を保存できたことです。私はデータの管理が苦手。何年か経つと、どこに行ったか分からなくなります。その点、本にしておけば、安心です。
三番目は、一緒に喜んでくれる人がいたことです。やはりこれが一番嬉しかったかな。
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さきほど、「取り決め」を守れなかったという話をしました。出版社をせかさないと決めたのに、「催促のメール」を送ってしまったという件です。
実をいうと、私はもう一つ自分にルールを課していました。それは、本ができても、周りの人に「買って!とは言わない」というルールです。頼まれると、気をつかって買ってくれる人もいるかもしれません。でも「そういった押し売りはやめておこう」と決めていたのです。
しかしここにきて、その「決めごと」も守れなかったようです。ついに言ってしまいます。
<関心のある方はぜひご購入ください。アマゾンでまだ何冊か売れ残っています>
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それではみなさま、暑い日が続きますが、どうかお達者で!!
令和6年7月26日
院長 松本康宏