2025/10/24
人と地域を
もっと健康に
養生訓
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
疲労にも様々ありますが、なかでも今の時代、デスクワークで疲れている人が多いのではないでしょうか。集中してパソコンに向かう!これ自体、脳にとって大変負荷のかかる行為です。なぜなら交感神経と副交感神経を同時に高ぶらせる必要があるからです。
いうまでもなく、集中するには交感神経を高ぶらせることが必要。一方、近くを見るには、副交感神経を働かせて目のレンズを厚くしなければなりません。こうしたアクセルとブレーキを同時に踏むような行為が脳を疲弊させてしまうのです。
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実をいうと、私自身、すごく疲れやすいタイプです。そしてすぐ眠くなる体質でもあります。子どもの頃から、「あんたよう寝るなぁ(訳:あなたは普通の人よりたくさん眠りますね)」といわれ続けてきました。でもこれは仕方がないことです。生まれ持った特性だからです。
とはいえ、私なりに工夫もしてきました。疲れが少しでも減るように、例えば、時間が空いたときには、極力、目をつぶるようにしています。そうすることによって目から入る情報を減らし、脳を休ませているのです。なお、目をつぶっている際には、首を少し左右に揺らしています。そうしないと周囲から寝ていると勘違いされるからです。「○○さん、疲れているんだな~」と思われるのと、「また寝てるわ!」と呆れられるのとではずいぶん印象が異なります。
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昔(江戸時代前期)、貝原益軒(かいばらえきけん)という人がいました。『養生訓』を書いた人物です。益軒は慧眼の持ち主でした。書物も読み漁っていたとは思いますが、周囲の人をよく観察していたのでしょう。「こういう人が病気をしやすい」「こういう人は長生きをする」といった知見を積み重ね、『養生訓』を記します。
例えば、益軒は「酒」についてこう述べています。
<自分の地方の人はどうかと思って、調べてみると、とくに長生きをした人は十人のうち九人はみな酒を飲まない人である。酒を多く飲む人で長寿なのはまれである。酒はほろ酔いかげんに飲めば長生きの薬となる>『養生訓』(中公文庫)
益軒はまた、こんなことも言っています。40歳以上になったら、いつも目をつぶっていなさい。用事がなかったら、目をあけない方がほうがいいと。
益軒から学んだわけではありませんが、さきほど述べたように、私も時間が空いた際にはできるだけ目を閉じるようにしています。
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私のように疲れやすいタイプでなくとも、デスクワーク等でくたびれている人はたくさんいると思います。そういった人には、ときどき目をつぶってみることをお勧めします。
なお、その際には、首を揺らしておくことも忘れないでください。人事評価に響くからです。
令和7年10月24日
院長 松本康宏
追記:10月28日『オリナス祭』が開催されます。楽しい会になりそうです。みなさまのご参加をお待ちしています。