2025/11/04
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					ワークライフバランス
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
先日、高市早苗氏の発言が物議を醸しました。「ワークライフバランスを捨てる。働いて働いて働く!」とした発言です。「時代に逆行している」「いやいや、高市さんらしくていいじゃない」など、各界から賛否両論……。今回は、この「ワークライフバランス」について考えてみたいと思います。なお「ワークライフバランス」について考える上で、ワークは「仕事」、ライフは「生活」と訳しておきます。
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政府はこれまで、「ワークライフバランス」の観点から、仕事の時間を減らして、その分を生活の時間にあてるよう国民に推奨してきました。その結果、実際、日本人の労働時間は30年前と比べてかなり減っています。
なおこういった政府の考えに批判的な意見もあります。「仕事と生活を分けること自体おかしい」「仕事の時間イコール我慢する時間ではない」「仕事は本来楽しいものだ」「仕事の意義を取り戻せ!」といった意見です。
では、私の意見は?というと、両者ともパーフェクトではない気がします。
まず前者について……。先述したとおり、日本人は、ここのところ仕事の時間を減らして、生活の時間を増やしてきました。しかし、それでみんながハッピーになったかというとそんなことはないように思います。育児で忙しかったり、趣味に没頭したい人には良かったかもしれませんが、無為に過ごす人も増えたのではないでしょうか。
一方、「仕事は楽しいものだ」「仕事の意義を取り戻せ!」という意見についても、そうありたいとは思いますが、実際は難しい気がします。例えば、私の業務のなかにも、書類の作成など、楽しめないものがいくつかあります。こういったものに意義を見出せといわれても、正直なところ私には無理です。
といったことから、「ワークライフバランス」に関して、もっといい捉え方はないか思案していたところ、思い出したのが竹村健一さんの本です。20年くらい前のことなので、うろ覚え感は否めませんが、こんなことが書かれていたように思います。
<生活の時間と仕事の時間、両方大事><生活の時間を大事にすると、不思議と仕事も充実する><両方大事にすることで、人生がより豊かになる>。
私はこの考えが一番好きです。実際、周りにも生活の時間と仕事の時間を両方大事にしている人がいます。そういった人はみんなイキイキしています。だから、当初はこの捉え方をブログのまとめにしようと考えていました。
しかし、書くうちにちょっと違う気もしてきました。なぜなら、人によって置かれている状況が全然違うし、生活と仕事のどちらにどれだけ重きを置くかとした価値観も異なるからです。だから、結局のところ、自分に合ったやり方で人生を充実させるのが一番いいのだと思います。
高市首相のように「働いて働いて働く!」というのでもいいし、「仕事の時間を減らして、生活の時間に振り分ける」というのもありです。もちろん「仕事の意義を取り戻す」とか「仕事と生活、両方充実させるぞ」というのでも構いません。
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「ワークライフバランス」とは、おそらく一つの生き方を提唱するような概念ではなく、色んな生き方があることを示唆してくれる概念なのでしょう。
令和7年11月4日
院長 松本康宏
追記:11 月 12 日(水)秋田地方総合庁舎で『こころはればれゲートキーパー養成講座』が開催されます。14:00からです。多くの方のご参加を期待しています。お問い合わせは、秋田ふきのとう県民運動実行委員会 事務局(018-853-1831) まで。