2022/03/22

視野を広げる

 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 今、ウクライナが大変なことになっています。久々に「世界」から目が離せません。それにしてもプーチンはいったいどうしてしまったのでしょう。病気になったとは思いませんが、視野は狭まっていると思います。ロシアの侵略によって負う、ウクライナの傷。世界を敵に回したことで苦境に立たされるロシア国民。プーチンに下される歴史的審判。こういったことを考えると、今回の選択はなかったはずです。

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 視野を広げるには2つの方法があります。一つは対象の範囲を広げること、そしてもう一つが対象との距離をとることです。

 プーチンには後者が欠けています。プーチンの今の状態は、(勿論、次元は異なりますが)次のような親や社長と似ています。それは、子どものことを考え過ぎて、「元気でいてくれるのが一番」ということを忘れてしまった親、会社を大きくしようと考えすぎて、逆に会社をつぶしてしまう社長です。

 独りよがりな愛国心のせいで、自分とかつての強国(ソビエト連邦)が一体化し、本来一番重要な「自国(ロシア)をつぶさない」といった使命を忘れてしまっているのでしょう。

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 さて、話は変わりますが、今の若い人は、どんな人の意見に耳を傾けているのでしょう。ホリエモン、ひろゆき、橋下徹、落合陽一、こういった人たちでしょうか。私も時々彼らの語りをYouTubeで聞いています。

 まいど昔話になって恐縮ですが、私が若い頃、有名な評論家と言えば、竹村健一さん、渡部昇一さん、堺屋太一さんといった人たちでした(サンピンといわれました)。加えて頭角を現しはじめていたのが大前研一さんです。私は彼らの本をよく読んでいました。

 竹村さんの“逆発想”は読んでいて楽しかったし、大前さんの新自由主義的な発想は斬新でした。

 堺屋さんは若い頃、大阪万博を実現させようと自費でパンフレットを作成します。確か、かかった費用が700万円くらい。今の価値だと3000万円位でしょうか。そこまでして夢を叶えようとしたのです。

 大前さんは今や誰もが知る存在となりました。本もたくさん出しています。彼は昔から道州制を提唱していました。30年以上前に読んだ本では、秋田県が北陸道(新潟が中心)に組み込まれていたと記憶します。彼の本の中で私がベストだと思うのは『大前研一 敗戦記』。これは大前さんが都知事選に出馬した際の体験談。青島幸男に敗れた口惜しさが赤裸々に語られています。なお大前さんはその選挙で4億円位の私費を投じたそうです(金額については記憶があいまい)。

 このように堺屋さんや大前さんは、ただ外から文句を言うだけの評論家ではありません。身を削ってでも国を良くしようと思う人たちです。

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 なお竹村さんと大前さんは海外通です。大前研一さんの『世界の見方考え方』を読んだ時には軽く衝撃を受けました。「国際的というのはこういうことか」「自分も早く海外に行ってみたい」、そう思いました。

 一方、渡部さんや堺屋さんは、歴史通です。授業中、机の下で堺屋さんの『現代を見る歴史』を開きます。「すごい」「どうやってこんなに知識を身に付けたのだろう」。心の中でつぶやきながら、読み進めたことを覚えています。

 つまるところ、彼ら4人は視野が広いのです。

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 思えば、若い頃の方が、日本や世界のことを考えていました。ウクライナのこともあってか、「もう少し視野を広げておいた方がいいかなぁ」。そんな気がしています。

令和4年3月22日
院長 松本康宏