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2024/04/12

お伊勢参り

 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 

 今回は三重県の「伊勢」について書こうと思います。

 

 伊勢には3回行ったことがあります。そのうち2回は神宮を訪ねました。ご存知のように伊勢神宮は最高位の神社です。では誰を祀っているかというと、こちらも最高神。天照大神(アマテラスオオミカミ)です。

 

 初代の天皇である神武は、神話上、アマテラスの孫のひ孫とされています。つまり、天皇の祖先を辿っていくと、太陽を司る女神アマテラスに行きつくというわけです。

 

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 前回、卑弥呼のことを取り上げました。卑弥呼は3世紀の人物です。当時、日本に書物はありません。そのため日本のことを知ろうとすると、中国の書物(魏志倭人伝)に頼らざるを得なくなります。しかし、魏志倭人伝も正確さに欠けます。それ故、色んな解釈が出てきます。卑弥呼がいた場所(邪馬台国)が九州と畿内の説に分かれるのもそのせいです。

 

 九州説を唱える人たちは、畿内説に対して次のように反論します。「邪馬台国が奈良にあって、ヤマト政権とつながっているなら、どうして卑弥呼の名前が日本書紀や古事記に出てこないのか」と。しかし私は、出てきていると思います。天照大御神(アマテラスオオミカミ)として、です。

 

 古事記や日本書紀は当時最も教養のある人たちによって編纂されました。8世紀のことです。当然、卑弥呼についても調べています。しかし、卑弥呼のことを正確に記すと天皇家の祖先が中国に朝貢していた(≒中国の子分になっていた)ことが判明してしまうかもしれません。そのため直接記すことは困難です。とはいえ卑弥呼は極めて重要な人物。外すこともできません。ではどうするか・・・。「卑弥呼をモデルに最高神(アマテラス)を造ろう」、そう考えたのではないかと推察します。

 

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 古代は謎の多い時代です。伊勢神宮がいつできたのか、またどうしてそこに造られたのか、この点についても不明です。ただ、日本は古来より太陽の昇る国。やはり「海から朝日が昇ってくる場所」を探したのではないでしょうか。そのような場所を探して、奈良から東に足を進めます。そして伊勢の二見浦(ふたみがうら)を発見。そんな光景が頭に浮かびます。

 

 子どもの頃、伊勢といえば、二見にある夫婦岩(めおといわ)でした。しめ縄で結ばれた2つの岩。岩と岩の間から朝日が昇ります。テレビでよく見かけた光景です。それが最近は、神宮を参拝しても、二見に寄らない人が増えていると聞きます。これはもったいない話です。といいますのも、先ほど述べたように「古代の人がどうしてこの地を選んだのか」「日本とはどういう国なのか」、その答えが二見にあると思われるからです。

 

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 伊勢といえば、もう一つ触れておきたいことがあります。江戸時代の「お伊勢参り」です。多いときには半年で400万人もの人がこの地を訪れました。当時の人は健脚です。草鞋を履いて、一日40㎞くらい歩きました。それでも江戸からだと片道2週間はかかったと思われます。

 

 なお伊勢に行ったついでに京都に寄る人も多かったようです。すると旅の期間は全部で2カ月くらいかかったことでしょう。今、「2カ月、旅に出る」と言ったら、驚かれます。そう考えると昔はおおらかだったのかもしれません。

 

 もうすぐゴールデンウィークです。2カ月も仕事を休めませんが、小旅行くらいはしたいと考えています。

 

 みなさまも良い連休をお過ごしください。

 

令和6年4月12日

院長 松本康宏

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